トークンエコノミーで関所システムが崩壊するのか、新たな関所を生むのか

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持続化給付金で電通・パソナの搾取が騒がれています

新型コロナ対策で持続化給付金が申請できるようになりました。持続化給付金とは新型コロナ感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧となる、事業全般に広く使える、給付金です。

その給付金の事務再委託先であるサービスデザイン推進協議会が今話題になっている。 サービスデザイン推進協議会は電通・パソナ・トランスコスモによって設立された団体である。

このサービスデザイン推進協議会がトンネル法人だったと話題になっています。この会社が受注し、電通・パソナ・トランスコスモ・大日本印刷に発注することになっています。

持続化給付金も典型的な「関所システム」

東京大学の安冨教授からかつて

「資本主義は基本的に海賊であり、関所だ。殺すことではなくピンハネするのが目的で、法律が正当化している。交通の狭い通りがあれば、関所が成り立つ。お金の流れのあい路が、銀行。今の電力会社は、関所そのもの。スマートグリッドになれば関所は、成り立たない。政府も大企業も関所。山賊、海賊からパクリ方が進歩しただけ。マスコミ、金融、政府、電力はみな、同じ関所システム。それがコンピュータ化で、関所が成り立たなくなってきている。再稼動は、電気を起こすためではなくて、関所システムを確保するために行う」

と教わりました。今回の持続化給付金のサービスデザイン推進協議会はまさに「関所」だし、広告代理店の電通も今までも「関所」だし、これからも「関所」である。

2013年に当時平智之さん(もれーつ科学教室のトンチ博士といったらわかる人がいるかも)と対談がIWJに残っていますが、当時この話を聞いた私はなぜ今の日本がこんな風になったのか腑に落ちました。さらに安冨さんはこうも言われていた。

「関所が関所であることに安住すると、絶対的に腐敗する。大きな問題は、関所にいる人々も不幸になることである。関所に入ると、関所を守ることが仕事になる。通行人からピンハネするだけの仕事は、楽しくもなんともないが、巨大な関所ほど巨大なピンハネばかりやって、それがピンハネでないかのように見せかけることに、膨大なエネルギーを消耗するから不幸になる。自分たちを幸福にするためにも、関所にいる人々は、関所の排除を全力でやらないといけない」

印象元: 多様な生き方を実現できれば経済的価値も生み出す―安冨歩×平智之 対談 2013.3.13
多様な生き方を実現できれば経済的価値も生み出す―安冨歩×平智之 対談 | IWJ Independent Web Journal
 2013年3月13日(水)16時30分から、東京都文京区の東京大学東洋文化研究所で、「安冨歩×平智之 対談」が行なわれた。同研究所教授の安冨歩氏と前衆議院議員の平智之氏が、現代経済学の多岐にわたるテーマについて話し合った。安冨氏は「経済の根本は、関所で通行料を徴収するシステム。国家とは最大の関所である。そこにさまざま...

別の記事で安冨さんは安倍政権に関してこう言われています。

「なぜ安倍政権があそこまで暴走しているかというと、第一次安倍内閣が倒れて、民主党政権になったことで自分たちの立場が、決して盤石ではないことに気づいてしまったから。彼らは立場を守るのに必死で、立場のためなら欺瞞にもウソにも無頓着です。それは特殊法人や大企業も同じだから、もはや救いようがない。しかしこの立場主義は、もう終焉を迎えつつあるのではないかと思います。なぜなら日本は財政赤字が膨らみきっていて、いつ財政破綻してもおかしくない状態だからです」

引用元:第9回 安冨歩「歴史に学ぶ」

誰もが「自分」を生きることで、暴走を食い止められる

安冨さんはこれからの社会 は一人ひとりが立場ではなく自分の生き方を見いだすことができれば、戦争に向かって国家が暴走することを今度こそ防げると言っておられます。

「一人ひとりが立場でなく、自分を生きることを考えるしかないと思います。そのためにもまず、『競争に勝つことが偉い』という洗脳から抜け出すこと。なぜなら今の日本社会は全員が同じコースを走ることになるので、有力な家の出身者など、有利なスペックを持つ人以外は、簡単に勝てないようになっています。だから自分だけの脇道を走って、自分なりのゴールを目指さないと。孫正義さんがいい例です。在日韓国人の彼は王道を行っていたら有利に戦えないからと、高校からアメリカに渡る『脇道』を歩んで、見事にチャンスをつかみましたよね? 誰も行かないような脇道はキケンだという、思い込みを捨てればいいんです」
 そしてもう一つ、生き方は選ぶものではなく変えるものだから、「明日から別の生き方を選ぶ」ではなく、「立場を手放してから変わる」という心構えも必要なのだと、安冨さんは続ける。

引用元:第9回 安冨歩「歴史に学ぶ」

そしてこれが大事でなかなか真似できないですが、

「自分でないものになるために、やりたくないことをして『立場』を手に入れても、決して幸せにはなれません。やりたいことをやって、欲しいものだけを手に入れるようにしていると、周りから『あいつは変わり者だ』と嫌われるかもしれません。しかし他人が作ったイメージを信じて立場にしがみついていたら、魂を誰かに譲り渡すことになります。

引用元:第9回 安冨歩「歴史に学ぶ」

立場主義を捨て始めて私もいろんなこと気が付き始めました。今の関所システムの関守を無くしてもまた別の関守が付くだけかもしれません。しかし、安冨さんの言われるような立場主義を捨てた人たちがつながり、その人たちがトークンエコノミーのような関所を持たないブロックチェーン技術でつながることで、関所がつくれない世の中が生まれるかもしれません。

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