日本原子力発電が敦賀原発2号機の地質データを再稼働に有利な方向に勝手に書き換えていたことが発覚した。
2020年2月29日の日経にこんな記事が載っていた。原発の敷地の地質データを勝手に書き換えたんですって、そんなんできたらなんでもできるわなぁ。
日本原子力発電が敦賀原発2号機の地質データを再稼働に有利な方向に勝手に書き換えていたことが発覚した。原子力規制委員会が規制基準に適合するかどうかを判断するのに重要なデータで、言語道断の行為だ。原発事業者としての資質を疑う。
[社説]原発を運転する資質を疑う
この記事を読んだとき昔の記憶がよみがえった。
2013年頃だったかな、東大の安冨教授が平智之さんと対談で「関所システム」についての話を聞いたことがありました。この「関所システム」の考え方って私のその後の判断の一つになっているので、「関所システム」の考え方をご存じない方にもお伝えいたします。
「関所システム」とは
人が集まる場所を作ったら、場所代が取れる。現代では、コミュニケーションの結節点を作って、そこを占拠する方法で利益を出している。 経済の根本は、関所で通行料を徴収するシステム。国家とは最大の関所であると。
その関所システムですが、関所が関所であることに安住すると、絶対的に腐敗する。大きな問題は、関所にいる人々も不幸になることである。関所に入ると、関所を守ることが仕事になる。通行人からピンハネするだけの仕事は、楽しくもなんともないが、巨大な関所ほど巨大なピンハネばかりやって、それがピンハネでないかのように見せかけることに、膨大なエネルギーを消耗するから不幸になる。自分たちを幸福にするためにも、関所にいる人々は、関所の排除を全力でやらないといけない 関所システムをごまかしながら続けているのが、年金であり、医療であり、原発である。もしかしたら、教育もそうかもしれない。そう原発の再稼動は、電気不足のためではなく、関所を守るための行為なのだ。
参考元:IWJ 多様な生き方を実現できれば経済的価値も生み出す―安冨歩×平智之 対談 2013.3.13
この日経の記事はまさにそのとおりである。そして未だに日本は「関所システム」で動いている。
関所システムはお金が効率的に集め、そこで飯を食べる人は、関所の存続のために尽力する。それが「立場主義」にもつながるのだが、 『他人に依存して自立している』人たちが世の中に増えると関所を介さない経済の流れや自分らしく生きることができる世の中がやってくると思う。そろそろええ加減に立場(会社などの組織)に依存せず、自分たちの価値を見出し、自分たちの価値を理解する人に出会い、自分たちのまわりでつながっていく時代を早く作らないといけません。
YouTubeは個人が作っているから、間違いはあるものの、その理想に近い形だと思います。Googleが運営されているからGoogleに搾取されているという言い方もできるが、インフルエンサーユーチューバーは芸能事務所に属する芸人さんよりも天井がなしに稼いでいる。その要因の一つに、メディアなどを介さずに、ネットだけでつながっているからだ。
そろそろ本気で関所をつぶさないと
いったん関所を意識すると世の中にいかに関所が多いかがよくわかります。その関所を早く壊さないと日本の将来特に次の世代の夢がありませんね。また先週安冨さんに久々にお会いしたのですが、「この国は狂ってるいる。システムが壊れずに作動しているのが問題で、そのシステムを作動を変えないといけない。そのために、みんなでサボらないといけないのに、日本人は真面目なのでまだ必死にシステムを維持するのだろうなって」って言われていた。
流通や社会システムの要所に効率よく「関所」を設け、そこで通行代を搾取できる「立場」に立つことで、日本人は自分たちの食い扶持を得てきた。そんな「立場主義」から逃れ、自分が自分らしく生きるためにはどうすればいいのか。もう1回考える機会がやってきたような気がする。
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