イギリスと地域福祉の関係

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なぜ福祉を勉強するとイギリスが出てくるのか。

福祉の勉強をすると必ず19世紀をイギリスの事例が出てくるが、なぜイギリスで福祉が発展したのかというと産業革命後、農業をやめて、大都市に人々が流入してきます。成功した人もいますが、失敗した人たちは、都市近郊に貧困地域(スラム街)を形成。劣悪な労働条件や、生活環境、健康被害など社会問題が増えました。公的なエリザベス救貧法によるワークハウスでは収容しきれなくなり、慈善団体が増えました。

イギリスにおける地域福祉の発展

年代事柄人物
1820年代隣友運動チャルマーズ
1869年ロンドン 慈善組織協会(COS)C.ロック
1884年ロンドン セツルメントインビーホール バーネット

隣友運動

チャルマーズはスコットランドの長老教会の牧師、神学者。
チャルマーズは、1811年以降、キルメニー教区において、貧民への救済と訪問の活動を開始した。
宗教者となった後、自身が療養生活を強いられたことが契機となり、信仰の復興を経験した。
その後、教会における説教も雄弁となり、また貧困家庭の訪問等の隣友運動を熱意を持って開始した。
チャルマーズの実践思想は、貧困の社会・環境的要因を考慮していない観点であるが,この事業がチャルマーズと、そのスタッフの個人的力量と組織によってある程度の成功を収めた。
チャルマーズも後に,この救済システムの弱点は,その成果が事業を総括する責任者の資質に左右されることであるとも証言している。

ロンドン 慈善組織協会(COS)

1861年にはロンドン市内に約640の慈善団体が存在していたそうです。 今の世も同じですが、みんなが、バラバラに慈善活動をすると、活動が活発な地域とそうでない地域が生まれます。そうした中、これらの活動団体に連絡・調整をし、効率よく支援しようとする動きが出てきます。そして慈善組織協会(Charity Organisation Society)が、 1869年、イギリス・ロンドンで誕生しました。慈善組織協会(COS)は団体間の連絡・調整だけでなく、貧困などで困ってる人に対し、「友愛訪問員」を各家庭に派遣し一人一人の支援も行いました。これがソーシャルワークのはしりだと言われています。
おまけ:ロンドンの慈善組織協会(COS)はアメリカへ渡り、アメリカでCOSの職員として働いていたリッチモンドが、「社会診断」と 「ソーシャル ケースワークとは 何か」って本を書いてソーシャルワークの母と言われる。

セツルメント

セツルメントとは、貧しい人が多く住む区域に定住し、住民と親しく触れ合ってその生活の向上に努める社会運動。また、そのための宿泊所・授産所・託児所などの設備。セツル。

セツルメントの源流は、諸種があるといわれるが、1884年のバーネット牧師夫妻が設立したイギリスのトインビー・ホールが世界最初といわれる。

コメント

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