地域福祉に分野で「住民参加」を最初に唱えた岡村重夫

日本での地域福祉

岡村重夫(1906-2001年 )は「地域福祉」の成立要件を「コミュニティ・ケア」と「地域組織化活動」であるとして1970年に「地域福祉研究」、1974年に「地域福祉論」を発表した。

地域で暮らすということは、他人と利害を共有しながら、直接・間接に生活をともにすることである。 岡村重夫は、基本的な生活要求をもつと同時に、主体性を発揮する存在としての視座がある。そのため「地域福祉」は、住民の全員参加を可能にし、政策の立案過程におけて決定力を持たせる場として理解される。全体を「一般的コミュニティ」と呼び、生活課題をもつ要援護者とそれを支える人達を「福祉コミュニティ」と呼んでいる。

元来、社会学的な意味でのコミュニティはヒラリーが規定したように「地域性」や「共同性」から構成される概念で、マッキーバーもコミュニティの概念の基礎には「地域性」や「共同性」があるとしている。広井良典は「農村型コミュニティ」と「都会型コミュニティ」の2つの概念を対比させている。

立場の相違から進まない関係形成

住民活動は、町内会・自治会のような地縁型に基づく伝統的組織は「コミュニティ型」と、NPOやボランティア団体のようにテーマ別の組織は「アソシエーション型」とマッキーバーの分類に当てはめるてみると、これらが連携して特性を発揮しあうことが期待されるが、むしろ双方の立場の相違から関係形成に進まないことが多い。

町内会・自治会の加入率低下の一方、NPO法人の認証数は増えている。現役世代など若年層は公共的活動の関心がシフトしている。 「コミュニティ型」 はがっちりとしたつながりであるが、 「アソシエーション型」 ゆるいつながりで成り立っており、ワークライフバランスの変化により活動したい時だけ参加できるスタイルが 現役世代など若年層にあっていると思う。

めざすべき福祉コミュニティ

野口定久は目指すべき福祉コミュニティには、2つの理論的立場があると述べている。一つは、コミュニティレベルでノーマライゼーションの実現である。二つめは、他社との違いや多様性を尊重し、連帯の新しい規範づくりを目指すもので、コミュニティは本質的に、関係しあう人々がお互いに協力するという意味を含む。そのためには「異なった他人の存在の承認」と「重荷を共に担いあう」ことは前提であり、地域福祉から疎外・排除されている人々を受け入れる価値と態度を養う福祉コミュニティづくりが、地域福祉の主体がなすべきことである。

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