アメリカにおける地域福祉の発展

アメリカの福祉制度は、植民地時代にイギリスから委嘱された救貧法に始まり、恐慌によって貧困者が増大した19世紀には民間の慈善活動が広がる。
1877年ロンドン慈善組織協会にならってニューヨーク州のバッファロー慈善組織協会が設立。その後あちこちに広がる。

20世紀初頭に民間の福祉活動家としてJ.アダムスがイギリスのトインビーホールに感銘を受け、1899年にシカゴに「ハルハウス」を設立、セツルメント運動の拠点に。 1931年にノーベル平和賞を受賞。
また「ケースワークの母」と呼ばれるリッチモンドもこの時代。地域における連携の無い救済組織を強調する動きがでてきてコミュニティオーガニゼーションが体系化。1929年に始まる大恐慌とニューディール政策、1935年の社会保障法は公的社会福祉機関の発達をもたらしました。またマクロレベルでのソーシャルワーカーの介入を求めた。そのため失業対策などを中心にソーシャルワーカーが関わり、地域政策の立案や、社会計画の作成・開発活動に参加した。そして1939年に「レイン報告書」がまとめられた。
1955年 M.ロスは「コミュニティ・オーガニゼーション」を著し、「組織化説」を唱えた。 これが我が国の社会福祉協議会を中心とした地域福祉活動に大きな影響を与えた。
J.ロスマンは、コミュニティオーガニゼーションを

  1. 小地域開発(地域開発)モデル(locality development)
  2. 社会計画(地域計画)モデル(social planning)
  3. ソーシャル・アクション(社会運動)モデル(social action)

の3つに分類し、1968年の全米ソーシャル・ワーク会議で発表。 我が国の地域組織化活動の研究に大きな影響を与えた。

内容
1877年ニューヨーク州バッファロー 慈善組織協会(COS)設立
1886年S.コイトが「ネイバーフッド・ギルド」を設立
1889年セツルメント運動の拠点:J.アダムスによってハルハウス(シカゴ)を設立
1939年レイン報告:「コミュニティ・オーガニゼーション」を体系化
1955年M.ロス:「コミュニティ・オーガニゼーション」を刊行
1968年J.ロスマン:「コミュニティ・オーガニゼーションの3つのモデルを検討

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